耳に水が入ると中耳炎になる?
image いよいよ水のシーズンです。学校でも水泳の時間が始まっています。
「耳に水が入ると中耳炎になるから、水を早く取って!」
こんな事を言われたり言ったりした経験はありませんか?

又、お風呂の後、水泳の後、耳に入った水を取るために必ず綿棒でお掃除をする。そんな習慣を持っている方はいませんか?いずれも、「耳に水が入ると中耳炎になる」という思い込みから来た間違った習慣です。

健康な耳に水が入っても病気になることはありません。
水が入ったからと、綿棒などでゴシゴシ耳をこすると、却って外耳炎の原因となります。

綿棒が耳の壁(外耳壁)に細かい傷を作り、そこから細菌感染を起こすのが「外耳炎」です。聞こえがおかしい、痛い、痒い、水が出る等、色々な症状がでます。水泳の後、耳が痛くなった場合のほとんどがこの様にしてできた外耳炎です。

一方中耳炎は、鼓膜の内側の中耳という部屋が炎症を起こしたものです。
中耳は外界から鼓膜に隔てられている訳ですから、耳に水が入っても直接影響を受けることは無いのです。

中耳と外界を繋ぐ唯一の道は「耳管」といい、鼻の奥、のどとの境目辺りに通じています。風邪をひいた時などに鼻をかんだり、プールで水に潜ったりした時に、耳にピッ!と来たり、一瞬聞こえが悪くなったりしたことが有ると思いますが、空気や鼻水、プールの水などがその耳管を通って中耳に影響を与えた為です。これが中耳炎になる一因となります。風邪気味で、汚い鼻水が入ったり、海水が入ったりすれば炎症を引き起こすという訳です。

風邪気味のとき、鼻の具合が悪いときには無理して泳いだりしない事です。プールの後、お風呂の後の耳掃除も実はかえって病気の原因を作っていることにもなりますから、むやみに耳掃除をするのはやめましょう。耳鼻科が儲かるだけです。

もし、不幸にして耳が痛いなどの異常を感じた場合は、決して耳を触ったりせずに耳鼻科を受診してください。
普通の外耳炎は、1,2回の通院で治癒します。

2005年5月 高柳耳鼻咽喉科 高柳道治