2022年のスギ花粉飛散量は、例年通り2月中旬より飛散すると思われます。花粉量は、昨年より多い予想です。
但し、花粉の飛散は天候に大きく左右されます。雨が多ければ、花粉が多くても飛散は少ないですし、逆に晴れの日が続けば飛散は多くなりますから、油断は禁物です。
本格的に飛散が始まるのは、2月中旬からと思われますので、2月始めくらいから予防的にお薬を飲み始めると良いでしょう。
2022年は、昨年より多い予想です。
ただ、飛散は天候に左右されますので安心はできません。
通常、予防薬の内服開始は2月早々から始めるのが理想的と思われます。
最近の薬の中には、JRの運転士でも内服可能な”眠気”の起きない一日1回の簡便な物もあります。
副作用を気にせず使用できますので、ご相談ください。
2021年12月 高柳耳鼻咽喉科 高柳道治
スギ花粉症とは、空気中に飛散しているスギ花粉が、鼻や目などに入る事によって引き起こされる、アレルギー疾患です。症状はクシャミ、ハナミズ、ハナズマリの鼻の症状以外に、目がかゆい、なみだが止まらない、咽喉がむずがゆい、咳がでる。又、人によっては微熱が出たり、喘息発作を引き起こすこともあります。
花粉が原因ですから、花粉が無ければおきません。従って、日本杉の無い地方(沖縄、南部を除く北海道)ではみられず、又、2月~4月以外の季節には起きません。5月の連休を過ぎても症状のある人は、カモガヤ、ハルガヤといった稲科の植物の花粉症。又、秋に同様の症状の出る人には、ブタクサ花粉による花粉症が疑われます。
スギ花粉症は、特別の体質の人(むずかしい話になってきますが、免疫グロブリンEという抗体を作りやすい体質の人)に多くみられます。年齢的には、20代が多く、あまり小さい子供(6歳以下)には起きませんが、最近はかなり若年齢化が進んでいます。
さて、スギ花粉症は、杉のほとんど生えていない都会に多くみられるのは何故でしょう。これは、ひとつはスギ花粉が極めて小さく(普通のマスクを通過してしまうほど)、風にのって何10キロと離れた遠くからも飛んできてしまう事。又、都会は車が多く、その排気ガスに含まれる窒素酸化物との関係も多いに関連している事がわかってきました。さらに、都会は、道路が全て舗装されており、雨が降っても土の中に吸収され難い事も災いしているようです。
では予防、そして治療はどの様にしたら良いのでしょう。
日常生活での予防は、まず花粉を避けることですから、雨上がりの風の強い暖かい日には出かけなければ良い訳ですが、そうも言ってられません。外出は、セーターとか表面のざらざらしたものではなく、ツルッとした花粉の着き難いものを着る。コンタクトよりは、眼鏡を使用する。専用のマスクをする。外出後は、洗面、うがい、目も洗う。目がかゆくても目をこすらない。風の強い日には窓を開け放たない。外に干した洗濯物やふとんは良くはたいて取りこむ。などいろいろ考えられます。
花粉の飛散し始める2週間程前から抗アレルギー剤と呼ばれる予防薬の内服を始めるという積極的な予防法(毎年ひどくなる人にはお勧めします)もあります。
治療法にはどんなものがあるのでしょう。
基本は、予防、治療効果が期待できる抗アレルギー剤の服用です。
一日1回もしくは2回の服用をして頂きます。症状に合わせて、眠くならないもの。又、症状の強い方には少々眠気は我慢しいて頂き効き目の強いものを処方しています。
更に効果アップの為に、鼻のスプレー、目薬を使って頂きます。
症状が毎年酷く日常生活に支障が多々あるような方には、舌下免疫療法をお勧めしています。詳しくは、舌下免疫療法の項をご覧ください。
2016年2月 高柳耳鼻咽喉科 高柳道治
当院ではあらかじめ説明を聞いて頂いたうえで、ご予約のうえ療法を開始させて頂きます。
長期に亘る治療であるのと、ご理解頂かなければならない事項が幾つかございますのでご了承ください。
ご希望の方はその旨受付にお申し出ください。
尚、スギ花粉飛散時期(2~4月)は治療を開始できません。
どのような治療法か簡単にご説明します。
今までの減感作療法は、定期的に通院して頂き、スギ花粉から抽出したエキスを皮下に注射し、スギ花粉に対する抵抗力を獲得していくというものでした。
舌下療法は、舌下に薬を毎日含んで頂くことで、同じような効果が期待できるものです。
欧米では、花粉症の治療法として既に広く使われています。
尚、来年には内服による免疫療法も始まります。
【利点】
効果が、著明改善、改善を併せると、60%以上とかなりの確率で良い結果が得られること。(注射による方法に比べて遜色がない)
痛みを伴わず、自宅で可能なこと。
副作用がほとんど無く安全であること。
投与が終了した後でも、効果が持続する確率が高いこと。
【欠点】
毎日、2~3年間続けなければならないこと。
スギ花粉のみの適応で、他の花粉、ハウスダスト、イエダニ等の適応はありません。
投与は、研修を受け許可を得た医療機関でなければ受けられません。
詳しくは、専門医のいる医療機関でご相談ください。
2016年2月 高柳耳鼻咽喉科 高柳道治